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2025.09.24

“聖女の復讐”が画面の中で動き出す!『傷だらけ聖女より復讐をこめて』脚本家・編乃肌先生にアニメ化決定への想いを聞いた

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はじめに

こんにちは!デジタル漫画出版社のソラジマ広報チームです。

『傷だらけ聖女より復讐をこめて』のライトアニメ®︎*化が決定し、さらにcomico「2025年上半期ランキング」の「これが純愛!異世界ファンタジー作品部門」で第1位を獲得しました。

今回は、完結後もなお、快進撃を続ける『傷だらけ聖女より復讐をこめて』の脚本を手がけ、自身も来年で作家生活10周年を迎える編乃肌先生にインタビュー。
アニメ化やcomico上半期ランキング受賞への想いやWebtoon業界を目指す方へのメッセージ、今後の展望などをうかがいました。

ライトアニメ®︎*化・・・漫画原稿そのものを素材とし、セリフの吹き出しなどを削除したあとに改めて着彩などを行い、モーションを加えて動画にしたもの

【この記事はこんな人におすすめ】

・『傷だらけ聖女より復讐をこめて』のファン!
・大ヒット作品を生み出した脚本家の想いを知りたい
・Webtoon業界でどんな挑戦ができるのか知りたい


アニメ化と上半期ランキング受賞、編乃肌先生が改めて思うこと

ライトアニメ化、おめでとうございます!最初にアニメ化の話を聞いた際のお気持ちをお聞かせください。

まずは純粋に「うれしい」という気持ちでしたね。

同時に、ライトアニメというフレーズを聞いて「また新しいものが登場したな」という感覚を持ちました。まさにWebtoonが登場したときと同じ感覚ですね。

ライトアニメによって『傷だらけ聖女より復讐をこめて』のよさがテレビでも存分に体感できたように思います。

ライトアニメは絵柄がそのままアニメに反映されるので、元の漫画の雰囲気をそのまま残したい場合や、ややアニメにしづらい漫画などに向いていると感じました。

Webtoonはネーム、線画、着彩など多くの方が関わっていて、非常に細かく、フルカラーで描かれています。だからこそ、丁寧に描かれたそのままの雰囲気をアニメに反映するのが難しいものでもあると思います。

Webtoonのような漫画は、ライトアニメと相性がよいのかもしれません。アニメ関係者の方々も、「原作の世界観を大事にしたい」とおっしゃってくれていました。

今回、『傷だらけ聖女より復讐をこめて』は、ライトアニメ化だけでなく、comico「2025年上半期ランキング」の「これが純愛!異世界ファンタジー作品部門」でも1位を獲得しています。こちらの一報を聞いたときのお気持ちを聞かせてください。

今回の受賞に関しては、ライトアニメ化も大きく影響しているのではないかと思います。
関係者の方々には、感謝しかないです。

また、一緒に作品をつくっていたクリエイターの方々がSNS上で今回の受賞についてやりとりして盛り上がっている様子を見て、ただ「受賞したこと」に対する喜びとはまた違ううれしさを感じました。

脚本を形にしてくださっているクリエイターの方々に還元することができたという感覚もありますし、「このチームでまた一つ達成して、新しい場所にいけた」という気持ちがあるのですよね。

『傷だらけ聖女より復讐をこめて』は、新たなことに挑戦させてもらうことが多い作品なので、今回のライトアニメ化も相まっての感情かもしれません。

キャラクターが喋る様子を見るのは恥ずかしい!?

編乃肌先生は、ライトアニメのアフレコ現場に参加されたのですよね?

そうですね。

アニメ内のキャラクターのモーションなどはすべてお任せしていたのですが、アフレコの現場では少しだけキャラクターの話し方やイメージをお伝えさせていただきました。

アフレコ現場で何よりも驚いたのは、声優の皆さんの集中力です。

全編を一気に収録したため、かなりの長丁場だったのですが、皆さん集中力を切らさず、スタートしたら一気に役に入り込む様子に圧倒されました。

ルーア役の瀬戸 麻沙美さん、スウェン役の斉藤 壮馬さんはとにかくハマり役でしたね。

実は、読者の方々から「ルーア役は瀬戸 麻沙美さんがいい!」「斉藤 壮馬さんにスウェン役をやってほしい」という声が届いていたのですが、まさかのお二人のところにも同じような声があったそうなのです。

まさに演じるべくしてこの役を演じていただいたのだと感じました。

実際にアニメに声が当てられて、キャラクターが動いている様子を見たとき、どう感じましたか?

もちろん、うれしい気持ちはあるのですが、実はちょっと恥ずかしい気持ちになる部分もありますね(笑)

実は私は、自分の作品のタイトルやセリフを口に出すのが恥ずかしくて、知り合いに「作品のタイトルを教えて」と訊かれても、ついつい「検索してみて」とだけ答えてしまうのですよね。これは、キャラクターが口にするセリフも同じです。

おそらく、これまで画面越しに見ていたものが突然目の前に現れて、現実感が出てきた、という感じなのかなと思います。文字で書くのは平気なのですが……(笑)

しかし、羞恥心はあるものの、やはりうれしい気持ちが勝りますね。

とくに、1話のセリフなどはもう3年半前、連載スタート前に考えていたセリフなので、懐かしさも感じました。

先行上映会であふれる、先生と読者の作品愛

編乃肌先生は、6月に開催された、ライトアニメ『傷だらけ聖女より復讐をこめて』の1話先行上映会に参加されていますよね。その際の率直な感想を教えてください。

アフレコに参加するなど、ライトアニメ化される過程は目にしていたものの、エンディングを見たのはこの先行上映会が初めてでした。

物語をわかっている人にはわかる要素をエンディングに盛り込んでいただいていたことに感激しました!

また、ライトアニメ化のシナリオ再編が素晴らしかったですね。

Webtoonは週刊連載ですし、毎回ストーリーに“引き”をつくるなど、横読み漫画や小説とは違う構成になっている部分が多いので、1回15分のライトアニメのためにシナリオの再構成を行うのは難しかったのではないかと思います。

「私もアニメ化するならここを削るな」と感じるシーンを上手にカットしてくれていて、かなり作品を読み込んでくださっていることがわかりました。

会場の雰囲気や、来場者の反応はいかがでしたか?

会場の空気は和やかで、私もフリートークでキャラクターの裏話や制作秘話などをお話しさせていただいたのですが、お茶の間のような雰囲気でお話しさせていただきました(笑)


来場者は、『傷だらけ聖女より復讐をこめて』のファンの方々と、声優さんのファンの方々などさまざまですね。

作品ファンの方のなかには痛バッグ*をつくってきてくださった方がいたり、サイン会でお話しさせていただいた方々と推しキャラについてお話ししたり、楽しい時間を過ごせました。

痛バックとは・・・「痛バッグ」とは、推しキャラの缶バッジなどのグッズをびっしり付けて推しキャラをアピールするバッグのことを指します。(参考:https://www.trans.co.jp/column/oshikatsu/oshikatsu8_itabag/)

作り手として感じるWebtoonだけの面白さとは

2025年は作品のライトアニメ化やcomicoの上半期ランキング受賞など、編乃肌先生にとってさらに飛躍の年になったと思います。そして来年、作家生活10周年という節目を迎えられる先生から、Webtoon編集者やクリエイターを目指す方々に、何か伝えたいことはありますか?

とにかく、まずはやってみてほしい、ということですね。

私がWebtoonの脚本を始めた頃は、まだ日本でWebtoonがスタートしたばかりで「読みづらい」などのマイナスな意見も多くありました。しかし、現在は多くの方に受け入れられて読まれていますよね。

余計なことを考えずに、とにかくやってみることで新しい世界が拓けると考えています。

Webtoonのここが楽しい!という部分はありますか?

実は、Webtoonだからこそできることも多いのですよね。

たとえば、あえて構成を組み替えてみて読者の反応を見るなど、週刊連載で「試せる」機会が多いからこそ、よい意味で挑戦できるところがあります。

また、小説などはただ自分の世界を書くことになるのですが、Webtoonの場合は編集者やネーム担当の方からアイデアをもらったり、線画担当の方が得意そうなシーンを入れてみたり、一人でつくっていないからこそできることも多いです。クリエイターの方々がどう表現するかを想像しつつ脚本に反映するイメージですね。

私の場合、作品全体をディレクションしてくれる担当編集者の方と「ホラー好き」という共通言語があったおかげで、作品のイメージを伝えやすかったことも、作品づくりによい影響があったと感じます。

「あの映画のあのシーンの感じで!」という伝え方で大体通じてしまうんですよ。

最後に、来年の10周年に向けた編乃肌先生の抱負や、今後の展望を教えてください!

10周年に向けて改めてあんなふうにしよう、こんなふうにしよう、というよりは、引き続き、誰かに読んでもらい、愛していただけるお話を書ける作家でいられたらなと思っています。

今後、Webtoonもいろいろと表現方法が変化してくると思います。

たとえば、私自身はいつかホラー作品も担当してみたいなと思っているのですが、ホラーの場合はWebtoonから実写映画化など、『傷だらけ聖女より復讐をこめて』とはまた違った表現で見せられるのではないかと思います。

そういったコンテンツに、またいつか関わることができたらよいですね。

作品紹介

▼あらすじ
治癒の力を持つ聖女候補のルーア。しかし彼女の能力には欠点があり、症状を自分に移して治癒するため、自身に痛みや苦しさが伴うものだった。

そんな彼女を欠陥扱いする聖女候補たちだったが、親友のアリアンだけはいつも庇ってくれていた。 ある日、ルーアが想いを寄せる騎士団長のガロットが瀕死の状態に。彼の傷を完治させたルーアは、能力の限界で生死の境を彷徨う。

しかし目覚めた時、手柄はすべてアリアンのものになり、ガロットとアリアンの婚約が決まっていた。アリアンの本性を目の当たりにし、ガロットからも冷たく当たられる。

絶望し、もう誰も癒さないと誓ったルーア。そこに第二王子スウェンが、「君を貶しめてきた奴等に復讐をしないか」と持ちかける。

彼女は隠していたもうひとつの能力──これまで癒した症状を他人に与える加虐能力──を使い、スウェンと手を組んで"聖女"ではなく"悪女"として新しい人生を始める。


▼この作品を読む

https://sorajimatoon.com/comics/01HF1RN8HSAP4AE81DSP62YCGG

おわりに

『傷だらけ聖女より復讐をこめて』の快進撃は、編乃肌さんと編集者、クリエイターの方々が一丸となって挑戦し続けた結果です。

ソラジマには、そんな才能と並走し、新しい作品を世界に送り出すチャンスがあります。

次にアニメ化の喜びを分かち合うのは、あなたが関わる作品かもしれません。私たちと一緒に、「今世紀を代表するコンテンツ」を創りませんか?

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