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編集部共通

2026.09.08

漫画編集者の仕事内容——縦読み漫画の編集部で、編集者が実際にしていること

eye catch

「漫画編集者って、実際は何をしている仕事なんだろう?」

この記事では、その疑問にお答えします。

先に、結論から。

漫画編集者の仕事は、担当する作品の可能性を最大化するために、必要なことをすべてやる仕事です。企画を育て、作家の方と物語を磨き、制作の体制を組み、読者へ届け、作品をさらに遠くへ広げていく。

ソラジマには、縦読み(Webtoon)・横読み・紙と、形式の異なる5つの編集部があります。仕事の芯はどの編集部でも同じですが、この記事では、採用に携わる立場から、縦読み漫画の編集部の現場を例に、この仕事の具体をお伝えします。

企画がどう生まれ、作品がどう作られ、読者に届いたあと何をするのか。1日をどう使っているのか。そして、未経験からこの仕事に就けるのか。現場の実際を書きます。

漫画編集者の仕事を一言でいうと

漫画編集者の仕事を一言で表すなら、担当する作品の可能性を最大化するために、必要なことをすべてやる仕事です。

作品や作家の方にあわせて変化しますが、企画を育て、作家の方と物語を磨き、制作のチームを組み、読者へ届け、作品をさらに遠くへ広げていく。

これら全てに関わるので、やることの幅はとても広いのですが、根っこにあるのはいつも一つ、「この作品を、どこまで遠くへ届けられるか」です。

これは、横読みでも縦読みでも、紙でも変わらない、漫画編集者という仕事の芯です。

縦読みという形式は、作品を遠くへ届けるための手段の一つにすぎません。手段だからこそ、編集者の仕事は「縦読み漫画を作ること」ではなく「作品の可能性を最大化すること」から逆算して決まります。

漫画編集者の仕事の全体像

具体の場面に入る前に、仕事の全体像を一覧にします。形式を問わず、漫画編集者の仕事はおおむね次の6つで構成されます。

  • 企画の立案と磨き上げ:作家の方の「描きたい」を起点に一緒に組み立てることもあれば、編集者が原案を立てて作家の方と形にしていくこともある。どんな読者に、どんな物語を届けるかを決め、企画として成立させる
  • 作家の方との物語づくり:プロット・ネーム・原稿に対して、作品が良くなるためのフィードバックを返す
  • 制作体制づくりと進行:作品に合った作り方を選び、関わるクリエイターの方々と工程を進める
  • 連載の運営:公開後の読者の反応や数字を、作品の狙いに照らして読み解き、次の展開や見せ方を考える材料にする
  • 届ける仕事:配信・販促・書店展開など、作品が読者の手元に届くまでの道筋に関わる
  • IP展開の推進と監修:書籍化・映像化・商品化などで、作品の核を守りながら広げる

以下では、縦読み漫画の編集部の現場を例に、この仕事の流れを4つの場面に分けて紹介します。

場面1:企画の立ち上げ——数ではなく、磨き上げ

すべては企画から始まります。

ただ数を出すのではなく、読者の心を強く動かし、本気で広がりを狙える企画だけを見極めて磨き上げます。

企画の進め方は、作品や作家の方に合わせて変わります。

作家の方と二人三脚でじっくり世界観を練り上げることもあれば、編集者が原案を立案することもあります。

決まった型に企画を流し込むのではなく、その作品にとって一番良い作り方を選ぶのが編集者の役割です。

磨き上げた企画は、各編集部の連載会議等で議論され、さらに仕上がっていきます。

自分一人のセンスに頼るのではなく、組織に積み上がった知見をぶつけ合って作品を強くしていく。

この過程で、編集者自身の「作品を見る目」も鍛えられていきます。

場面2:制作体制づくり——作品ごとに最適な体制を組む

企画が固まったら、その作品に最適な制作体制を組みます。

漫画の作り方というと、編集者と作家の方が一対一で作品を作る姿を思い浮かべる方が多いと思います。縦読み漫画でも、作家の方と一対一、あるいは少人数で作る作品は多くあります。

一方で、ネーム・線画・着彩・背景・仕上げといった工程を、複数のクリエイターの方々で分担するチーム型の作り方も使われています。

大事なのは、どちらか一方が正解ではないということです。

ソラジマには、作家の方との二人三脚な作り方も、チームで進める作り方も、両方あります。

作品の性質と作家の方の特性に合わせて、最適な体制を編集者が選び取ります。

チーム型で進める場合、編集者は各工程をつなぐ責任者になります。

ネームから仕上げまで、それぞれのクリエイターの方々と協力しながら、作品全体の方向とクオリティに責任を持つ。

連載開始前には原稿のストックを作り込むため、一つの作品の立ち上げには半年ほど制作に集中する期間があります。

場面3:連載と、読者に届ける仕事

作品が公開・連載に近づくと、編集者の仕事は「作る」に加えて「届けて、育てる」にも広がります。

Webで読まれる作品は、読者の反応がデータとして速く、細かく返ってきます。どの話で読者が増えたのか、どこで離れたのか。

ゆえに反応をどう受け止め、どう対応するかは、作品の狙いに照らした編集者の判断となります。データは、作品を知ってもらうための施策を仕掛けたり、次に何をどう見せるかを作家の方と考えたりするための材料として使います。

そして、作品は「良いものを作れば自然に届く」わけではありません。

ソラジマでは、電子書店各社と連携した配信戦略の設計、SNSでの発信、書店流通を通じた全国書店への展開など、社内外と連携しながら、作品を読者に届ける導線をつくっています。

編集者は営業や広報の部門と協力し、作品が読者の手元に届くまでの道筋そのものに関わります。

作る質だけでなく、届けるビジネスの質まで含めて作品の成果に責任を持つ——ここがこの仕事の面白さの一つです。

場面4:作品を、もっと遠くへ——IP展開

作品が育ってきたら、漫画の枠を越えて広げていきます。

ソラジマには、自社内にIPプロデュースの体制があります。書籍化や商品化は自社でも手がけ、映像化ではTV局・アニメ制作会社などと直接連携する。編集者は、この体制のなかで、担当作品をどう広げるかの展開判断に最初から関わります。

連載を生み出して終わりではなく、作品価値の最大化に最後まで向き合う。作品にとっては、それだけ遠くまで広がる可能性がある場所だということです。

そのうえで編集者が担うのは、「原作の核を守る」仕事です。展開判断から監修まで、作家の方とともに妥協なく向き合い、世界観やキャラクターの魅力が、形を変えても損なわれないようにします。

担当作品がドラマやアニメになって、漫画を読まなかった人にまで届く。そこまでを見届けるのが、この仕事の射程です。

漫画編集者の1日——出社日と、そうでない日

「1日の流れ」を時刻表で示すことは、正直に言うと、できません。担当作品の数や進み具合、連載のどの段階にいるかで、日々の中身は人によっても日によっても違います。

そのかわり、ソラジマの編集者に共通している「時間の使い分け」をお伝えします。

前提として、ソラジマの編集者の働き方は専門業務型裁量労働制です。週のうち月・火・金の3日は、11時から18時半をオフィスで働く日と決まっています。

出社日は、顔を合わせてこそ進む仕事に、一定の時間を使います。全社でのフィードバック会、チームの定例、作品勉強会は、あらかじめ定例として組まれていて、出社日に集まって行います。連載会議やネーム総会のような編集部の会議も、この日に重なります。ヒットの要因を編集者同士で分析して言葉にする、他の編集者の企画や原稿に率直なフィードバックを返す。次のヒットを生むための学びを、自分の担当作品に持ち帰ります。会議の場だけではなく、雑談や何気ないコミュニケーションから生まれるものも大事にしています。

出社しない日は、自分の集中時間に充てる人が多いです。企画書を作る、作家の方から届いたネームや原稿にじっくりフィードバックを書く、作家やクリエイターの方々とのミーティングをまとめて入れる。出社日にミーティングを入れる人もいて、そこは各自の判断です。いろいろな作品を読み込むなど、インプットの時間にする人もいます。

どちらの日も、軸は一つです。「担当作品の可能性を最大化するために、今日は何をするか」。それを自分で決めて組み立てるのが、この働き方の前提です。

漫画編集者の本質は変わらない——縦読みの現場で違う3つのこと

仕事の本質——作品の可能性を信じ抜き、最大化する——は、横読みでも縦読みでも変わりません。

違いが出るのは、主に3つです。

  1. 演出の道具が違う:縦読みはスマホでのスクロールを前提に、コマ間の余白で時間をつくり、画の大きさで感情の強弱をつけます。縦読みならではの表現の引き出しを、作家の方やネーム担当の方と一緒に増やしていくのは編集者の腕の見せどころです。
  2. チームで作る場合がある:工程ごとにクリエイターの方々が分担する作り方も使われており、その場合、編集者にはチーム全体を見る視点が求められます。
  3. 話の構成が違う:縦読みはスマホで1話ずつ読まれ、話ごとに更新されることが前提です。1話の中で感情の山をどう作り、どこで切って次の話へ引くか。話単位の設計が、作品の読まれ方を左右します。

求められる力と、やりがい・大変さ

ここまで読むと、求められる力も見えてくると思います。

作品の面白さを、自分の言葉で語れること。作家の方と本気で向き合い、誠実であり続けること。率直なフィードバックを、受け取る側でも渡す側でも、作品のために使えること。そして、読者データと自分の感覚の両方を使って判断できること。

やりがいは、担当作品が読者に届く瞬間にあります。連載で読者が増えていく手応え、書店に並ぶ、ドラマやアニメになって漫画を読まなかった人にまで届く。その全部に、企画の最初から関わった人として立ち会えます。

大変さも隠しません。企画は何度も没になり、作品づくりはうまくいかない時間のほうが長い仕事です。締切と連載スケジュールは待ってくれません。

向いている人、年収、「きつい」と聞くけれど本当か。よく寄せられる疑問には、こちらの記事のFAQで採用担当としてお答えしています。▶ 未経験から漫画編集者になるには——採用担当が、3つの道と選考の実際を解説

未経験から、漫画編集者になれるのか

なれます。実際、ソラジマの編集者の多くは漫画編集未経験からのスタートです。

前職は脚本家、役者、エンジニア、営業職、学生インターンなどさまざまで、共通しているのは経歴ではなく、作品に向き合う執念のほうです。

ただし、一つだけ正直にお伝えしたいことがあります。

採用に携わる立場から見て、「編集者になること」自体がゴールになっている方は、選考を通りません

編集者という肩書きは、作品を創り届けるための道具にすぎないからです。

「この仕事に就きたい」ではなく「作品の面白さをどこまでも突き詰めたい」——そちら側に軸がある方が、結果としてこの仕事に就き、続いています。

未経験から漫画編集者を目指す3つの道と、選考で見ているものは、こちらの記事にまとめています。▶ 未経験から漫画編集者になるには——採用担当が、3つの道と選考の実際を解説

5つの編集部と、ソラジマという場所

ソラジマには、5つの編集部があります。

編集部ごとに「どんな読者に、どんな作品を届けるか」の考え方が異なり、編集者はその考えのもとで、自分自身の作品と、作品づくりの哲学を磨いていきます。

この記事で例にした縦読み漫画は、女性向け作品を手がける第一編集部、バトル作品を手がける第二編集部が作品を生み出しており、2027年春には少年漫画を手がける第五編集部「少年STOKE」が作品を届け始めます。横読み漫画の第三編集部、Webサイトと紙の第四編集部「よすみ」もあり、形式は違っても、編集者の仕事の芯は同じです。

女性向け作品を手がける第一編集部の現場はこちらバトル作品を手がける第二編集部の現場はこちら少年漫画の第五編集部「少年STOKE」の特集はこちら第三編集部(横読み漫画)第四編集部(よすみ)

作品の広がりの一例を挙げると、『お求めいただいた暴君陛下の悪女です』(天壱)は国産Webtoonの月間売上で歴代トップレコードを記録し、『5度目の政略婚は、私を憎むあなたと』(天壱)は初月売上1億円を突破。

『かたわれ令嬢が男装する理由』(雨宮レイ.)はアメリカの月間販売金額2位を記録するなど、日本発の作品が国内外の読者に広がり、IPとしての伸びしろを見せています。

次の一歩へ

漫画編集者の仕事は、企画からヒットの先まで、作品の可能性に最後まで向き合う仕事です。

作品の面白さをどこまでも突き詰めたい——その気持ちがあるなら、それを仕事として最後までやり切れる場所がここにあります。

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