1. トップ
  2. クリエイター
  3. 【最新版】Webtoon、こうやって作っています!制作工程をすべて公開!

クリエイター

2025.07.17

【最新版】Webtoon、こうやって作っています!制作工程をすべて公開!

eye catch

こんにちは!デジタル漫画出版社ソラジマの広報チームです。
皆さん、「漫画制作」と聞くと、出版社の編集者と漫画家(およびアシスタント)が一緒に作品をつくる様子を想像するのではないでしょうか。

しかし、ソラジマでは「スタジオ型」と呼ばれる完全分業制でWebtoonを制作しています。

この記事では、ソラジマの『生意気殿下の家庭教師になりました』を例に、Webtoon作品がどのように制作されているのか、詳しくご紹介します。
(2025年7月17日更新)

ソラジマのWebtoon制作のフロー

ソラジマのWebtoon制作フローは以下の通りです。

  1. 企画
  2. キャラクターデザイン
  3. ネーム
  4. 人物線画
  5. 人物着彩
  6. 背景
  7. 仕上げ

それぞれの工程を専門のクリエイターが、リレーのように分担して制作しています。

このような「スタジオ型」(完全分業制)を採用しているのは、Webtoonの多くがフルカラーで制作されるためです。従来の制作スタイルのままWebtoonを制作すれば週間連載の維持が難しく、クリエイターさんの負担も非常に大きくなってしまいます。

「スタジオ型」では、6〜7人のクリエイターさんがチームを組み、各工程を分担して制作。これにより、自分の得意分野でスキルを発揮できるだけでなく、作業負担も減らすことができます。
また、制作工程が効率化されることで、一定の高いクオリティーを維持しながら連載できる点も大きなメリットです。

一方、編集者の仕事は企画から原稿の完成まで、すべての工程をディレクションすることです。各クリエイターさんへの発注やプラットフォームのレギュレーションチェック、締切設定といったスケジュール管理、完成原稿の検収など、「作品制作の総責任者」として全体を統括しています。

では、各工程について、詳しく見ていきましょう。

①企画

ソラジマでは基本的にゼロからオリジナルの作品を制作しているため、まず作品の骨子となる企画を考えます。

編集者は市場やトレンドを分析し、ジャンルやおおまかなテーマを設定した上で企画案を作成。そして、ソラジマに登録している作家さんを対象に、公募を行います。集まった企画の中から、最もマッチする企画書を提出した作家さんに連絡を取り、一緒に作品を作り上げていくのが一般的な流れです。

ほかにも、作家さんからオリジナルの企画を直接提出していただく場合もあります。

ソラジマの企画作家に登録すると、LINEやメールで編集者からの公募案内が配信されるので、興味がある方はこちらからぜひ!

▼脚本家登録▼

作家さんから提出された企画書が一発でOKとなり、審査まで通ることもあります。しかし、より面白い作品にするために編集者と相談・議論を重ね、ブラッシュアップしていくことが多いです。

一度決まったログラインや設定は、短くて30話、長いと100話まで続くストーリーの根本になります。そのため、簡単に修正はできず、初期段階でしっかり練ることが大切です。

『生意気殿下の家庭教師になりました』(© 奥田たすく / SORAJIMA)の脚本シート

企画書ができたら、次は各話の脚本を執筆。脚本も毎話編集者が確認し、丁寧なフィードバックを行います。

執筆スタイルは作家さんによってさまざまです。演出のディレクションまで書き込む方もいれば、プロットのように状況とセリフのみで簡単に作成する方もいます。

下はソラジマ作品『生意気殿下の家庭教師になりました』1話の脚本の一部です。この脚本からどんなWebtoonになったのか、ぜひ実際に読んで確認してください。

エリシア<私は完璧な淑女だった>(ルビ・・・を入れて“だった”を強調)
エリシア、壁際に立つローレン家の使用人を見つけ足早に暖炉の前を通る。
何者かがわざとぶつかり、斜め前に向かってよろける。
その先には暖炉がある。
エリシア「え」
エリシア<あの日までは>
使用人「エリシア様!!!」
暖炉前の金属のガードがひっくり返る「ガシャーン」という大きな音がする。

▼『生意気殿下の家庭教師になりました』1話はこちら▼

②キャラクターデザイン

企画の内容が決まったら、キャラクターデザインへ。作品とキャラクター設定をもとに、登場人物の見た目と時代背景に基づいた衣装や装飾のデザインを行います。

『生意気殿下の家庭教師になりました』(© 奥田たすく / SORAJIMA)のキャラクターデザイン
『生意気殿下の家庭教師になりました』(© 奥田たすく / SORAJIMA)のキャラクターデザイン

主人公やサブキャラクターのほかにモブキャラクターまで企画段階で決めることもあれば、制作を進めながらその都度デザインすることもあります。

キャラクターデザインが決定したら、次の工程を担当するクリエイターに引き継ぎ、これをもとに制作を依頼。

複数人で制作するため、迷わず作画ができるように、衣装の色や柄・キャラクターを描く際のポイント・さまざまな角度と状況の表情など、かなり細かい部分までしっかり描きこみます。

③ネーム

キャラクターデザインと脚本が出来上がったら、「漫画の設計図」とも言えるネーム制作に入ります。テキスト(脚本)を具体的なイメージ(絵)にする工程です。

『生意気殿下の家庭教師になりました』(© 奥田たすく / SORAJIMA)

ネーム作家は、「どうすれば、この脚本を漫画として面白く見せられるか」を意識し、制作を進めていきます。

脚本(文字)だけの段階とは異なり、漫画では読者が「読む」だけでなく「見る」ことで作品を受け取るという点も考慮しなければなりません。読者の感情を動かすためには、ネーム作家の「文字を視覚的に表現する能力」が問われます。

ネームの演出要素には、コマのサイズ・距離(ショットのサイズ)・アングル・色の調整・視線誘導などがあります。さらに、コマ間隔をあまり詰めすぎないこと、吹き出しを利用して視線を誘導することも、縦に長いWebtoonならではの特徴です。

これらの要素をうまく使いながら、脚本の中の一番の見せ場や強調すべき部分、または省いても良い部分などを判断し、読者がサクサクと読めるネームを作っていきます。

④人物線画

次に、ネームの上にキャラクターを清書する人物線画に進みます。人物線画は、人物を描くのが好きで、さまざまなアングルからの表現や自然な表情描写に自信がある方に向いているポジションです。

Webtoonはデジタルデバイスで展開されるので、「線画が作品のクオリティーを決める」と言っても過言ではありません。ムラのないきれいな線画は、Webtoonならではの特徴です。

『生意気殿下の家庭教師になりました』(© 奥田たすく / SORAJIMA)

線画担当のクリエイターは、キャラクターデザインの情報をもとに作業を実施。量の多い作品では、同じ作品に複数名の線画担当がアサインされ、同時に作業を行うこともあります。

その際、担当者によってキャラクターの外見が変わってしまっては作品全体のクオリティーに影響が出るため、キャラクターデザインどおりに書き起こす「キャラ寄せ」のスキルが必要です。

しかし、選考フローでクリエイターさんの個性が作品と合うか、いわゆる「相性」を編集者がチェックしてから決めるので、「そっくり描く能力がないとダメ」という訳ではありません。

⑤人物着彩

『生意気殿下の家庭教師になりました』(© 奥田たすく / SORAJIMA)

Webtoonは、モニターやスマホ画面で読まれることを前提に、ほとんどがフルカラーで制作されています。ヨコ読み漫画のように線で明暗を表現するとデジタル画面では複雑に見えるため、Webtoonはアニメ塗りでパキッとした立体感を表現します。

基本的には、キャラクターデザインにあるカラーパレットに基づいて色塗りを実施。クリエイターさんから「このドレスは袖と体の部分の色が違ったほうが分かりやすい」など、作品をより良くするためのアイディアが出た際は修正することもあります。

⑥背景

ネームデータに記載されている時間や人物の位置・場所の指示に基づいて、作品の世界観を表現する背景を描きます。

『生意気殿下の家庭教師になりました』(© 奥田たすく / SORAJIMA)

「指示にはないけど、寒い地域の描写なので雪を積もらせる」など、クリエイターさんが自ら作品を分析して背景を作画することもあります。

最近は3Dアセットを活用し、豪華でよりリアルな背景を制作する作品が多いです。小物や建物をイチから作る必要がないため、効率良く作業できるメリットがあります。一方で、背景に3D特有の違和感が残っていると読者の作品への集中を妨げる恐れがあります。

だからこそ、キャラクターと背景が違和感なく馴染むように調整することがとても重要です。

⑦仕上げ

仕上げは、背景まで終わった原稿のクオリティーをさらに引き上げる最終工程です。光源や影、色味の調整によって作品の印象がガラッと変わるため、全体の雰囲気を決定づける重要なパートです。

『生意気殿下の家庭教師になりました』(© 奥田たすく / SORAJIMA)

ただきれいに、華やかにするだけではなく、キャラクターや背景をよりリアルに見せ、各コマの魅力を引き上げます。担当するクリエイターさんには素材や色の選択、配置のセンスはもちろん、全体を把握する能力が必要です。

ジャンルによって仕上げのスタイルが大きく変わる点もポイント。
たとえば、ロマンスファンタジー作品だと、花や後光を挿入してキラキラ感を出します。男性向けのアクションジャンルでは、バトルシーンエフェクトを入れ、より迫力のあるシーンに仕上げることが多いです。

『生意気殿下の家庭教師になりました』(© 奥田たすく / SORAJIMA)

おわりに

今回はソラジマのWebtoon制作フローをご紹介しました。

1つの作品を作り上げるためには、どの工程も欠かすことができません。それぞれがとても重要な役割を担っています。ソラジマの編集部は、作品に関わっているすべてのクリエイター一人ひとりに感謝の心を持ち、それぞれの才能が最大限に発揮されるよう、全力でサポートしています。

現在、ソラジマでは「今世紀を代表するコンテンツを創る」というミッションを共に目指す、クリエイターや編集者を募集しています。

「ストーリーを考えて演出するのは苦手だけど、人物を描くのは得意!」「線画はあまり得意ではないけど、カラーリングには自信がある!」など、得意分野に集中してスキルアップしたい方、特技を活かして作品制作に携わりたい方、ぜひご応募ください。
新しい仲間との出会いを楽しみにしています。

▶︎▶︎▶︎ 編集者の採用情報はこちら ◀︎◀︎◀
▶︎▶︎▶︎ クリエイター職の採用情報はこちら ◀︎◀︎◀︎

この記事をシェア

facebookhatena bookmark

公式SNSをフォロー

instagram