編集部共通
2026.10.21
「漫画が好き」を、未来の選択肢へ。デジタルハリウッド大学で、創作・編集の両視点を学ぶ全4回の企業ゼミを実施

一つの漫画が読者に届くまでには、描く人だけでなく、作品の魅力を見つけ、磨き、届ける人がいます。その広がりを学生に知ってもらい、未来の選択肢の一つにしてほしい。
そんな思いから、ソラジマは2026年7月22日から8月12日にかけて、デジタルハリウッド大学の企業ゼミとして、全4回の講座「マンガ出版に関わる人たち ―クリエイターと編集者の仕事―」を実施しました。受講したのは、デジタルハリウッドが運営する専門スクールの受講生を含む、デジタルハリウッド大学の学部生・院生の合計11名です。
講座では、受講生がクリエイターと漫画編集者、それぞれの視点に立って作品づくりを体験。自分で作品を生み出す視点と、作家に伴走して作品の魅力を磨く視点を、制作や企画を通して学ぶ構成です。学生が漫画に関わる仕事の幅を知り、「漫画が好き」という気持ちの先にある進路の選択肢を考えられるように設計しました。
本講座は、株式会社MediBang様のご協力のもと、漫画制作ツール・MediBang Paintをご提供いただき、受講生が実際に自分の手でネームを制作する実践型の講座として実施しました。
目次
「描く」だけではない、漫画に関わる仕事を知る
仕事の説明を聞くだけでなく、自分で制作し、講師と対話することで、漫画に関わる仕事を体験してほしい。そのため、一度きりの講演ではなく、学んだことを試し、フィードバックを受けるところまでを全4回の学びとして設計しました。
題材は、縦読み漫画(Webtoon)。ネーム制作から作品の分析、簡易企画づくりまでを通して、普段は読者として楽しんでいる漫画を、描く側・編集する側の両方から捉え直しました。
クリエイターと漫画編集者、両方の視点で仕事を体験
講師を務めたのは、ソラジマの漫画編集者・中村加奈と渡部敬介、少年STOKE副編集長の尾屋葵です。講師陣が現場で培った知見に触れながら、受講生はネーム制作や作品分析、簡易企画づくりに取り組みました。

クリエイターの視点:自分の手で作品を生み出す
第1・2回では、受講生が読者に面白さを伝える表現を学び、MediBang Paintを使って昔話『桃太郎』のネームを制作しました。同じ題材でも、選ぶ場面や表現は一人ひとり異なります。読みやすさや自分ならではの表現を意識し、面白いと感じた場面をどう読者に伝えるかを考えました。
読むだけでは気づかなかった、描く側の工夫や難しさに触れる時間です。「伝えたい」と「伝わる」の間にある距離を自分の作品で確かめ、作品を生み出す仕事への理解を深めました。
漫画編集者の視点:作品の魅力を見つけ、言葉にする
尾屋が伝えたのは、「この作品の楽しみ方は何か」を一言で捉え、その魅力を企画に生かす考え方です。
第3・4回で渡部が実演したのは、編集者がどこを見て、どう考え、作家さんへ何を伝えるのかという、作品分析の思考の過程です。受講生は完成した答えだけでなく、その道筋に触れながら、自分でも作品の魅力を言葉にし、簡易企画づくりに取り組みました。
自分で描くこととは異なる形で、作品づくりに関わる仕事もある。作家に伴走して作品を磨き、読者へ届ける漫画編集者の役割を、体験を通して知る機会となりました。

講師との対話で、自分の作品を見つめ直す
各パートの最後には、講師陣による個別フィードバックの時間を設けました。大切にしたのは、一人ひとりが表現したいことや作品の魅力を捉え、次に磨くポイントを対話しながら伝えることです。学んだことを自分の制作に結びつけ、強みや課題を考える時間となりました。

漫画の見方が変わり、仕事への理解が深まった
講座後のアンケートには、漫画に関わる仕事や、自分自身への理解が深まったことを伝える声が寄せられています。
「編集者の世界を知ることが出来た。漫画の奥深さを知ることが出来た。」という声に加え、クリエイター志望の受講生からは、創作を仕事にするための工夫や、編集者が作家さんに伴走する姿勢から学んだという感想も届いています。描く側だけでなく、作品を磨き、読者へ届ける側の仕事を知る機会にもなりました。
また、宿題へのフィードバックを通じて「自分の得意不得意を具体的に知ることができた」という声もありました。自分で制作し、講師と対話する経験が、自分の表現や強み、課題に向き合うきっかけになっています。
受講後には、自然と展開や構成を意識しながら漫画を読むようになったという感想も寄せられました。「好き」「面白い」と楽しんでいた漫画を、つくる側・編集する側からも捉え直す。今回の講座は、漫画に関わる仕事を知るとともに、自分がどう創作に関わっていきたいかを考える手がかりを届ける機会となりました。
デジタルハリウッド大学によるアンケートでは、86%が講座を「有益だった」、72%が「仕事への気づきがあった」と回答し、86%が「次回も受講したい」と答えました。また、各回で実施した自社アンケート(延べ34件)でも、満足度・わかりやすさは、ほぼすべての回答で5段階中4〜5の評価をいただきました。

学生の声を、次の学びの機会へ
受講生からは、面白さの細かな調整方法や、別のジャンルについても知りたいという声も寄せられました。次回はジャンル別の選択講義を加えることなどを検討し、受講生の声をもとに講座を磨いていきます。
本講座の実施にあたり、企業ゼミの機会をいただいたデジタルハリウッド大学の皆さま、そして「MediBang Paint」をご提供いただいた株式会社MediBang様に、心より御礼申し上げます。
「漫画が好き」の先に、まだ知らない道がある

漫画を読むことが好き。その気持ちの先には、自分で作品を生み出す道も、作家に伴走して魅力を磨く道もあります。今回の講座が、受講生にとって漫画に関わる仕事を知り、自分の進路を考える手がかりになればと考えています。
ソラジマは「物語の力」を信じる漫画出版社として、今後も大学・大学院・専門学校などの教育機関とともに、作品づくりや編集の現場に触れられる機会を広げていきます。
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